- 首輪付き野良猫を保護する前に確認したいこと
- どんな猫か見極めよう
- 警察や関係機関へ連絡しよう
- 責任を持って面倒みられるか考えよう
- 長期的な視点で世話する覚悟を持つ
- 動物病院で健康管理が必要
- あなたはどこまで保護できる?フローチャートで確認しよう
- 首輪付き野良猫の保護を見送る場合の適切な対応
- 首輪付き野良猫の保護を決断したら
- 里親探しを急がないで
- 猫の情報を拡散しよう
- まとめ
首輪付きの野良猫を見つけたら|保護する前に確認してほしいこと
自宅近くや道端で、首輪をつけた見知らぬ猫を見かけたことはありませんか?
「飼い猫が迷子になっているかも」「うちで飼ってあげたいけど大丈夫だろうか」と心配になる方も多いでしょう。猫に首輪がついている場合は、飼い主がいる可能性が高く、勝手に連れて帰るとトラブルになることも考えられます。
この記事では、首輪付き野良猫を保護しようかと迷ったときに事前に確認したいことや、保護を決断した後の注意点について解説します。猫のために最善の行動がとれるよう、ぜひ参考にしてみてください。
首輪付き野良猫を保護する前に確認したいこと
首輪付き野良猫を見つけたら、いきなり保護するのではなく、まずは猫の状況を確認してみましょう。「迷子猫」や「地域猫」の場合は飼い主や世話している人を確認することが先決です。ここからは、首輪付き野良猫がどんな状況にいるのか見極めるポイントや、連絡すべき関係機関などを紹介します。
どんな猫か見極めよう
首輪付き野良猫は以下のような状況が考えられます。
- 飼い猫が外に出ているだけ
屋外散歩の習慣がある猫もいます - 飼い猫が迷子になっている
- 飼い猫が長期間迷子になっている
放浪している猫
- 飼い猫が長期間迷子になっている
- 地域猫
地域住民によってごはんやトイレの世話をされている猫 - たまたま首輪を付けている野良猫
「迷子猫」や「地域猫」である場合は、いくつかの見極めるポイントがあります。以下の特徴に注目してみてください。
「迷子猫」の特徴
外見の特徴
- 体の手入れが行き届いている
- 純血種であることが多い
- 首輪に名札やタグがついている
- 耳にV字型のカットがない
一般的に飼い猫は耳カットはされていません
行動や性格の特徴
- 人懐っこい
- 警戒心があまりない
- ゴロゴロと喉を鳴らして甘える
「地域猫」の特徴
外見の特徴
- 耳にV字型のカットがある
地域猫は、避妊去勢手術が行われた印として耳の一部がカットされていることが多いです
行動や性格の特徴
- 警戒心がある
- 特定の場所を行き来している
地域住民によって決まった場所でごはんや水が提供されていることが多いです
保護するかどうか検討している猫が野良猫であった場合は問題ありませんが、「迷子猫」だった場合、猫を無断で保護し連れて帰ると刑法第254条「遺失物横領罪」に当てはまる可能性があります。
「地域猫」であった場合でも、突然世話している猫がいなくなってしまうと地域住民が心配するかもしれません。
トラブルを避けるためにも、首輪付き野良猫を見つけた際には、どんな猫なのかしっかり見極めて次の行動をおこしましょう。
警察や関係機関へ連絡しよう
首輪付き野良猫を見つけたら、目撃情報を以下の最寄り機関に届け出てください。
すでに飼い主が猫を探していて、関係機関へ問い合わせているかもしれませんので必ず連絡しましょう。
- 警察署・交番:「遺失物」として飼い主が届け出ていることがあります。
- 保健所・動物愛護センター:「迷子猫」として届けられているか確認できます。
- 動物病院:迷子猫情報を持っている場合があります。
- 地域の動物愛護団体:地域猫として管理されている猫の情報が確認できます。
責任を持って面倒みられるか考えよう
首輪付き野良猫を見つけて「保護したい」と思ったとしても、保護には責任と準備が伴います。以下の点を十分に考えてから保護を決断しましょう。
長期的な視点で世話する覚悟を持つ
猫の世話は短期間で終わるものではありません。「世話ができなければ、動物愛護団体や動物病院が助けてくれるだろう」と安易に考え保護するのは避けましょう。保護後に猫の世話が難しくなり、もともといた場所に戻すことはできません。動物の愛護及び管理に関する法律の「動物の遺棄」にあたる可能性があるので注意してください。
飼い主がすぐに見つからなかった場合、長期間にわたりトイレ掃除やごはんの準備だけでなく、けがや病気の治療といった医療ケアも保護主がサポートします。フードやトイレ用品といった日用品、医療費などの経済的な負担も発生するでしょう。
保護した猫の飼い主が見つかった場合は、保護中にかかった費用を飼い主に請求することが可能です。医療や日用品にかかった費用を確認してもらえるよう、レシートや領収書を必ず保管しておきましょう。警察を通じて猫が飼い主に返却された場合には、かかった費用の全額を飼い主に請求してください。
さまざまな視点から、自分が猫の世話に責任を持って対応できるかを慎重に考えてみましょう。
動物病院で健康管理が必要
外にいた猫は栄養不足で衰弱していたり、ノミや回虫などが寄生していたりする可能性があります。自宅に先住猫や犬がいる場合、保護した猫から感染する心配もあるため、保護したらすぐに動物病院を受診し、猫の健康状態を把握する必要があります。
動物病院で必要な処置は以下の通りです。
- マイクロチップの有無を確認
- 健康状態の確認
- 猫白血病や猫エイズなどのウイルスチェック
- 寄生虫の検査と駆除
- ワクチン接種
必要に応じて - 避妊去勢手術
必要に応じて
マイクロチップには、個体識別番号が記録されており、その番号に基づいて飼い主と猫の情報がデータベースに登録されています。
猫がマイクロチップを装着しているなら、飼い主の情報を確認し連絡できるので、必ずチェックしてもらいましょう。
あなたはどこまで保護できる?フローチャートで確認しよう
保護を考えている場合、「自分がどこまで責任を持って対応できるか」を整理することが大切です。フローチャートを利用することで、保護後に必要な対応や、次のステップがわかりやすくなります。
迷いや不安がある場合には、以下のフローチャートを活用してみてください。
首輪付き野良猫の保護を見送る場合の適切な対応
「どうしても世話が難しい」「長期的に面倒を見られない」と感じた場合は、保護を見送ることも一つの選択です。保護ができなくても、猫の目撃情報を関係機関に提供したり、SNSで猫についての情報を拡散しましょう。飼い主が迷子猫を見つけるのに役立ちます。
猫がけがをしている場合には、負傷動物として保健所や動物愛護管理センターに通報してください。
首輪付き野良猫の保護を決断したら
首輪付き野良猫を見つけて「責任を持って世話ができる」と判断できたら保護を決断しましょう。ここからは、首輪付き野良猫の保護を決断した後に知っておいてほしい注意点と対応を説明します。
里親探しを急がないで
保護後すぐに里親探しを始めるのは避けましょう。「迷子猫」の可能性があるため、まずは元の飼い主が現れるのを待つことが優先です。
迷子猫の場合、「遺失物法」が適用され、保護した人(拾得者)は警察に届け出をします。この届け出から3カ月が経過しても飼い主が見つからなかった場合、拾得者が正式にその猫の所有権を得ます。少なくとも3カ月間は、飼い主が現れるのを待つようにしましょう。
猫の情報を拡散しよう
猫の保護情報を広めることで、飼い主が見つかる可能性を高めます。以下のような方法で猫の情報拡散に努めましょう。
- チラシやポスターで周知する
猫の写真や特徴を書いたチラシやポスターを作成し、近隣の動物病院やペットショップ、地域の掲示板などに掲示すると、飼い主に情報が届きやすくなります。 - SNSや迷子ペット探しサイトを活用する
インターネットを利用し、多くの人に情報を拡散することで、飼い主が情報に触れる機会が増えるでしょう。
まとめ
首輪付き野良猫を見つけたら、まずは慎重に状況を確認し、関係機関に目撃情報を届け出てください。保護したいと思っても、事前に長期的な視点で責任を持って対応できるかを考えることが重要です。命を預かるということは大きな責任が伴います。この記事を参考にあなたのできる範囲で、猫をサポートしてみてください。
記 者
監 修